■ Column No.237 (2007/08/07デイリースポーツ掲載分)
● 時代遅れになるな

 徳島市で行われていた北京五輪の出場権をかけたアジア男子バスケットボール選手権で、イランが初優勝し、なんと60年ぶりの五輪出場の切符を手に入れた。気が遠くなるほどの長い年月を経て、イランの夢が実り、選手たちはコート上で踊り、歓喜の中にいた。
 決勝戦はイラン対レバノン、アジア選手権の24回の歴史で西アジア同士の決勝戦は始めてのことだ。今回は常勝中国が北京五輪の開催国なので、この大会に2軍のティームを送り込んだことから、波乱の大会になった。優勝したイランは最近、強化が進んでいるとは聞いていたが、去年の世界選手権には出られなかった。実は、世界選手権の開催国だった日本は、直前にイランを招き、テストマッチの大会を行い、2勝1敗の相手だった。ところが、今大会は、そのイランが初優勝で五輪へ、日本は史上最悪の8位という体たらくである。
 それにしても、決勝戦は面白い、激しいぶつかり合いで、マイクを握っていて興奮した。第1ピリオドの終了間際、1点リードされていたイランが、エースで218cmのセンター・ハッダティが、ハーフウエーラインより、まだ遠くから打った超ロングスローが、何とブザービーターの逆転スーパーショットなり、勢いをつけた。これがイラン優勝への「虹の架け橋」になったともいえるだろう。
 これからの男子バスケット界は中国、韓国だけでなく、欧州の指導者を呼び、欧州と接触のある西アジアの国々をもマークしまければならなくなった。日本にとって、ますます、厳しい状況に進んでいくことは間違いないだろう。日本は32年ぶりの五輪の夢を果たすことは出来ず、最悪の順位に沈んだ。
 今、日本のバスケット界は世界選手権の赤字、人事の刷新を求めるなど、内部では混迷の状況にある。五輪出場を依然として逃し続けているのは、バスケットに関わる全ての人々の問題でもある。人事を換え反対派が権力を握っても同じことになる。新しい発想と若い世代への思い切った切り替え、外部の頭脳の導入、今やらないと、30年どころか、60年もかかってしまうだろう。最後にもう一つ、プロ化したBjリーグを拒否せず、直ちに認めることだ。企業名のついた日本リーグにいつまでおんぶに抱っこを続けるんだ。企業にはスポンサーとして協力して貰うことは大切だが、またぞろの日本リーグ応援などは、世の中が見えていないのだ。しっかり時代を見よ、バスケットボール・マン。



--- copyright 2001-2007 New Voice Shimamura Pro ---
info@shimamura.ne.jp