Column No.200 (2006/11/15デイリースポーツ掲載分)
◎ 野球好きなのかな日本

 アジア1を決めるコナミカップアジアシリーズは、北海道日本ハムが優勝、昨年の千葉ロッテに続いて、日本代表ティームがチャンピオンに輝いた。
 ただ、盛り上がりは今一つだったのではないだろうか。昨年もそうだったのだが、日本ティームの試合は1万人から1万5千人は入る。決勝戦の日本ハムと台湾のラニューベアーズ戦は約2万5千人とまずまずだった。問題は日本が登場しない試合である。
 決勝の日本に挑む台湾と韓国のサムスンライオンズ戦は約6千5百人しか入らなかった。この試合は両ティームの主砲がホームランを打ち、投手リレーにも見ごたえがある好試合だった。ことに、台湾の林智勝の超特大ホームランは、東京ドームのレフトスタンドの上の広告板の、その上の壁に当る大ホームラン、年に何度も見られない、ひょっとすると、今年一番のビッグなアーチだったかも知れない。発展途上の中国の試合を除けば、競った内容の試合があり、日本ハムの優勝も危うかったと言えるだろう。
 それにしても、観衆の数が少ない。中国戦は2千人少々しか入らない。日本ハム戦も超満員ではない。今後の課題は「如何にアジアのスポーツに関心を持ってもらう」かだろう。アメリカ志向の強い日本人はアジアへの関心が、もともと薄い。
 野球ファンもアメリカに比べると、比較にはならない。アメリカはティームファンだけではなく、「ベースボール大好き」というファンが日本より遥かに多い。日本は、例えば阪神ファンのように熱狂的なティームファンは多いのだが、「野球ファン」となると、とてもアメリカには及ばない。今年・サンディエゴでのWBCで感じたのだが、決勝戦にアメリカが残れず、日本とキューバ戦になった。それでも、スタンドは満員だった。アトランタ五輪の決勝戦のときも、キューバ・日本の決勝戦だったが、アトランタのフルトンカウンティスタジアムの入りは悪くなかった。自国が敗れ、まして犬猿の仲と言われるキューバが決勝に出ているのに、アメリカ人の「野球を愛する心」は変わらず、興味を抱いて球場に足を運んでくるのだ。
 出来れば、日本の優勝ティームの本拠地でやるのがいいのだろう。ただ、この時期はドームでないと難しい。前もって12球団のホームを押さえることも無理だろう。アジアの野球にもっと多くの関心を集めるにはどうたらいいのか、今後の課題は残されている。4年も日本一から遠ざかっているセリーグの球団にも、奮起を促さざるを得まい。



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