Column No.192 (2006/09/20デイリースポーツ掲載分)
◎ 難しい連覇

  プロ野球もいよいよ終盤、優勝の行方はセリーグは中日の圧倒的有利、パリーグは大混戦、今日の西武・ソフトバンク戦で流れが見えてきそうだ。
 それにしても、セパ両リーグともにここ数年、連覇の難しさを痛感させられる。昨年、アジアチャンピオン・日本一に駆け上がったロッテは交流戦を境に泥沼に落ち込んだ。バレンタイン監督の「ボビーマジック」はとうとうかからず仕舞い、得意のダンスでファンサービスに努めたのに、ティームは終盤、きりきり舞い、全て巧くいった去年の勢いはなんだったのだろう。別に油断したわけではあるまい。それでもいえる事は、優勝ティームはそれ以上の積み上げをしないと、それ以上の必死の気持ちがないと、敗れたティームのエネルギーを受け止められないということではあるまいか。
 プレーオフ制のパリーグは大混戦の中、優勝と順位争いが予測出来ないほど面白い。日々状況が変わっていく。西武、日本ハム、ソフトバンクの三つ巴の優勝争いの中で、一番強い思い想いで戦い、勢いのあるのは日本ハムだろう。札幌ドームの盛り上がり、新庄効果は表の顔、実は固定オーダーがそれぞれの役割を果たし、リリーフ陣は絶対的な安定感、ヒルマン監督の犠打を多用する確実性のある采配など、今年は日本ハムが旋風を巻き起こしている。投打のバランスと伊東監督の我慢強いリードの西武、王監督との約束を果たしたいソフトバンク、どのティームが1勝のアドバンテージのある首位でゴールするのか、ペナントレースの最後の日まで、興味は尽きない。パリーグの連覇は1999、2000、のダイエー以来途絶えている。ホークスが2004、05とペナントレースはトップだったがプレイ・オフには敗れているので連覇のカウントは出来ない。
 セリーグは何と1992、93のヤクルト以来連覇はない。94から巨人、ヤクルト、巨人、ヤクルト、横浜、中日、巨人、ヤクルト、巨人、阪神、中日、阪神と12年間、連覇はなかった。勿論、阪神が望み薄とはいいながら、優勝のチャンスが途絶えてしまったわけではない。勝負はゲタをはくまでは判らない。奇跡的なことが起こるのも勝負の世界ではまま、あることだ。ただ、最後の中日戦を甲子園で2連戦残しているとはいいながら、やはり、中日がそれまでに星を落としてくれることが頼り・他力の要素があるわけだ。5勝13負1分け、振り返ってもしょうがないことだが、せめて、優勝できなくとも、甲子園で連勝することがファンへの御礼であることを肝に命じて欲しいものだ。



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