Column No.189 (2006/08/30デイリースポーツ掲載分)
◎ 迫力満点のメッツ応援

  全米オープンテニスの放送でニューヨークに来ているが、中継の合間をみてメッツの試合を観戦してきた。何しろ、テニス会場の目と鼻の先がシェイスタジアム、その気になれば両方の熱戦を楽しむことが出来るのだ。
 テニスと野球大好きおたくの鍋島アナウンサーとフィリーズ戦を44ドルも払ってボックス席で見る。今年のメッツは強い。ナリーグで6割以上の勝率、東地区でフィリーズに2桁以上のゲーム差を付けているだけあって、この日も迫力満点のバッティングだった。立ち上がりにベルトランの豪快なツーランが飛び出したが、これが通算の記念すべき二百号、たまたま来たのに「ラッキー」だった。
 フィリーズも4番はハワードの逆転満塁ホームランが飛び出す。「ついてる。ついてる」と鍋島アナも興奮気味。すると、今度はメッツの4番デルガドがツーランを打ち返す。ベルトラン、デルガドのアベックホームランまで見てしまった。さらに、7回には打者11人で7点の猛打、手の付けられないメッツの破壊力にフィリーズの監督、日本で活躍した赤鬼・チャーリーマニエルも真っ青になったはずだ。
 私の大リーグ観戦はいつもスコアーブック付のパンフレットを買って鉛筆でスコアーを付けながら楽しむ。どうしても、職業意識が出てしまうのだが、これも記念になり日本のプロ野球の中継で役に立つこともあるのだ。
 アメリカでの野球観戦は隣りや近くの観客とすぐに仲良くなれるのが日本と違うところだ。メッツの代打にフリオ・フランコが出てくると「日本にもいたんだよねぇ。彼は48才だよ」と詳しい。
 「松井稼頭央は残念だったが、コロラドでは、もうすぐ出てきそうだ。ヒデキもポストシーズンには間に合うはずだ」「ボビー・バレンタインはどうしている?何というティームの監督だっけ」「ロッテというティームで去年は日本、アジアのチャンピオンになったんだが、今年はよくないよ」「そういえば、ボビーは昔ここで退場になり、ひげをつけて変装してベンチに座っていた。ユーモアーのある監督だった。日本でもやったかい」「いゃあ、あの変装はこりたんじやないかな。ベンチの上でダンスを踊っているけど、今年は笛吹けど踊らずかな」片言の英会話でも、野球用語なら結構通じて楽しい。日本の応援のように強制さたり、一緒に応援することはない。皆が喋り捲って、ビールとピーナッツとホットドッグを片手に叫び、笑い、ブーイングして夫々が楽しんでいる。実は私はアメリカンスタイルの観戦のほうが好きなのだが。



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