Column No.183 (2006/07/19デイリースポーツ掲載分)
◎ 前半戦の最後です

 明日からプロ野球はオールスター休みになる。以前は前後半の半ばだったが、交流戦の日程などで実際には後半戦、開幕の早いパリーグは90試合まで到達している。
 後半のセリーグは中日対阪神のマッチレースで進むのだろう。ティーム力はどちらも互角、両ティームの主力が戻ってきて大事なここ一番での試合の盛り上がりが今から楽しみだ。阪神にとっては、3つ負け越している中日戦にまず追いつくことだろう。
 パリーグは四強の争いだが、交流戦の優勝ティーム・ロッテが昨年とは違う。エース級で勝てず、ミスもちらほら出る。ファンサービスの旺盛なバレンタイン監督のダンス披露もほどほどにしないと、きりきり舞いになりかねまい。日本ハムは新庄の派手なパフォーマンスが話題になりがちだが、堅実な試合運びのヒルマン監督の手腕が台風の目になるか。西武は層が厚い。伊東監督と荒木投手コーチの我慢強さと開き直り、先を見る戦いにティーム力の強さを感じる。西武が主役で後半戦をリードするのではないか。
 全国民が心配していたソフトバンク王監督の手術が成功した。「よった。よかった。」という会話があちこちから聞こえてくる。今日までのソフトバンク対西武の三連戦の放送で私は福岡にきている。あまりにも存在感の大きい王監督なので、試合前のヤフードームは「主のいない」寂しさを感じざるを得ない。試合前、必ず私たちと雑談をしたり、情報を知らせてくれる王監督、いつも投げたり、打ったりする仕草をしながら、時に笑い、時に憤慨したりする王さんを誰もが信頼し、好きなのだ。
 入院して、王さんはCSの放送が見られるように依頼し、病室で毎試合を観戦していると聞く。東京にいると、地上波ではホークス戦のテレビはない。福岡でのローカル放送は届かない。全国で見られるのはCS放送になる。Jスポーツは1、2、プラス、ESPNと4つのチャンネルを駆使して、パリーグはソフトバンク、西武、ロッテ、オリックスの4ティームを中継している。普段でも、王さんはチャンネルをまわして、パリーグの試合経過や情報を聞いている様子だった。
 幾つかあるCSのプロ野球放送の中で、Jスポーツだけは「野球好き」というテーマで、比較的ホームティーム応援放送ではなく、勝負そのものに拘って、野球大好きをテーマにペナントレースを語っている。だから、私もここでアナウンスが出来るのかも知れない。
 放送者にとって贔屓や応援放送は、実はやりにくいものなのだ。今夜も王さんの笑顔を思い浮かべながら、マイクに向かう私です。勿論、「野球好き」贔屓はしません。ナイスゲームを期待して。



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