米プロバスケットボール・NBAは82試合のレギュラーシーズンを終え、いよいよプレイオフに突入した。実はこれからが長い戦いになる。NBAは30ティームが東西のカンファレンスに分かれて、3つづつのディビィジョンに属している。プレイオフには東西8ティームづつが勝ち残り、合せて16ティームが6月下旬までの約2ヶ月間を戦う。プロスポーツ大好きのアメリカ国民にとって、始まったばかりの野球、クライマックスに向かうバスケットと連日目が話せない楽しみな日々が続くのだ。
プレイオフは東西で1位と8位、2位と7位、3位と6位、4位と5位で1回戦を戦う。それぞれ準々決勝、準決勝と進み、最後に東西カンファレンスの勝者が対戦するNBAファイナルへと登りつめる。今季の焦点は連破を狙う西地区のチャンピオン・サンアントニオ・スパーズと王座奪回を目指す東地区のデトロイト・ピストンズが抜け出ていると見るのが一般的だろう。ピストンズはレギュラーシーズンで球団記録の64勝をマーク、伝統のディフェンス力とティーム力は鉄壁で強固だ。
連破を目指すスパーズは厳しいポポビッチ監督の下、ダンカン、パーカー、ジノビリらはバージン諸島、フランス、アルゼンチン、スロベニアなどの外国勢、今のNBAはMLBと同じように世界中からの選手が活躍している。
さて、順当にスパーズとピストンズがファイナルまで行けるかというと、そうとも限らない。少なくとも、準々決勝以降は大変だろう。東地区のポイントはスター街道を進むキャバリアーズのレブロン・ジェームスが、初めてプレイオフに挑むのだ。すでに、スパースターのキャッチフレーズを片手で掴んでいるレブロンは入団の18歳からティームの大黒柱、今季は得点3位、オールスターで史上最年少の最優秀選手に選ばれた。プレイオフ初戦のウィザース戦ではトリプルダブルの華々しいデビュー、プレーオフのデビュー戦でのトリプルダブルは史上3人目の快挙となった。
ピストンズにとっては、恐るべき若手の好スタートに警戒感を強めたはずだ。東地区にはオニール、ウェードの2枚看板をもつマイアミ・ヒートもいる。ネッツもカーター・キッドの2人のスターがリードする。東地区はどこがファイナルに来ても不思議ではない。西地区でスパーズを脅かすのは名ガード・ナッシュがリードするランアンドガンのフェニックス・サンズだろう。但し1回戦で初の得点王に輝いたコービー率いるレーカーズとサンズは当る。混戦予想のNBA、面白いよ。 |