Column No.170 (2006/04/12デイリースポーツ掲載分)
◎ ユニフォームの着方

 毎朝、愛犬「タイガー」の散歩に付き合っている。季節のうつろいを感じ、健康にもいい。新学期が始まり、近所の中学生の登校とすれ違う。新入生はすぐわかる。ブレザーにネクタイをきちんと締めている。上級生になると襟元をあけてだらしなく、だらんとネクタイがぶら下がっている。これがはやりなのだろう。見苦しいこと、この上ない。ワイシャツのすそを外に出す子もいる。
 いまどきの学校の先生はなんで厳しく注意をしないのだろう。ネクタイは確かに窮屈だ。それでも、ブレザーにネクタイと決めたのなら、きちんとした着方をさせるべきだ。ネクタイの正しい締め方をしないのなら、自由な服装にすればいいではないか。どうも近頃の先生は弱腰でいけない。みだしなみとは、何も着飾ることではなく、その場に相応しい姿なのだ。「新入生も、暫くするとだらしなくなるわね」と家内。「初心忘るべからず」とは、何も決意や考え方だけではないのだ。
 イチローが今シーズンからユニフォームのストッキングをみせるクラシックスタイルに変えた。「かっこいい」と見る野球ファンも多い。でも、もともとユニフォームの着こなしはこうするものだった。高校野球ではこのスタイルだったはずだ。十年ほど前、広岡達朗さんがロッテのGMになった時、ユニフォームの正しい着方はストッキングを出し、パンツは膝近くまでにし、ストッキングを見せるスタイルに戻したことがあった。「ユニフォームの正しい着方」に拘ったことに私は拍手を送っていた。しかし、広岡さんが去ると、また元に戻ってしまう。去年引退した初芝選手が最後までこのスタイルだった。
 パンツをだらんと下げたスタイルは米大リーグの影響だろう。今、主流となったこのユニフォームの着こなしがまずいわけではない。着易さや怪我の防止に少しでも効果があるなら、それでもいいのだ。同じユニフォームを着ていても「かっこよく」見える着こなしがある。ミスター・長嶋さんの現役時代のユニフォーム姿はどこから見ても「絵」になっていた。ミスターもストッキングは見せるスタイルだった。サードからダッシュする躍動感溢れる動きをユニフォームも演出していたように思えるのだ。長いパンツでもいいのだが、限度もあるのではなかろうか。裾がグランドにつき、だぶだぶしている着こなしは私は嫌いだ。スパイクで踏んづけるのではないかとさえ、心配する。ロッテの諸積選手は今でもグランドに入るとき、去るとき、丁寧に深々と頭を垂れる。何人かの選手はやっている。みな、高校時代にやっていたことなのだ。ユニフォームの着こなしも挨拶もアマの方が好ましい。



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