Column No.167 (2006/03/22デイリースポーツ掲載分)
◎ これも大リーグ

決勝戦の後、王監督と・・・


優勝セレモニーの1シーン

 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」WBC・ワールドベースボールクラシックのアメリカ大リーグを見て、「これが大リーグなのか、本気でやってないんじゃないか」とがっかりした野球ファンも多かったかも知れない。決勝は大リーガーを並べたオールスター級のアメリカ対ドミニカというのが大方の見方、大リーグおたくや大リーグ通の解説者は当然そうなるだろうと思っていたようだ。ところがどっこい、野球というティームスポーツはそうゆうものではないのだ。数10試合を戦うリーグ戦ならいざ知らず、国際大会の勝ち抜き勝負はティーム力が重要な要素になる。オールスターゲームではないのだ。
 今回、私が一番がっかりしたのはバック・マルティネスというアメリカティームの監督である。日本戦での西岡のタッチアップを巡って、判定が覆った時、マルチネスは大喜びのガッツポーズをした。現地の放送局は何度かそのシーンをVTRで再生している。本物の大リーガーだったらこのようなおぞましいことはしないはずだ。ホームランが出たり、チャンスのタイムリーだったらいいだろう。明らかに誤審と思える判定に欣喜雀躍するとはなんたるリーダーなのだ。彼は、しかも、カナダ戦に負けたあと、現地放送局のゲストとして、南アフリカ戦に出演していた。その他にも毎試合放送席とベンチを結んでのインタビューに応じている。普段の大リーグ中継なら何をやろうとアメリカの勝手だが、これは世界に配信している国際映像のはずだ。こうゆうところに、アメリカの思い上がりがあるのだ。
 西岡のタッチアップの判定について、昨年のアメリカンリーグの首位打者。マイケル・ヤングのコメントにも、私は頭にカチンときた。「三塁走者は、すでに5歩も進んでいた。彼の足の速いのは知っている。そんなに速いなら、選ぶスポーツを間違っている。五輪で陸上の選手をしたらいい」なんとゆう心無い発言をする奴なんだ。マイケル・ヤングじゃなくトゥーヤング・若すぎてと名前を代えた方がいいだろう。大リーグの素晴らしさは語りつくせないのだが、何から何までいいわけではない。今度のことで大リーグを批判する目も大切だということだ
 大リーグ主導の、大リーグを世界一に認めさせようとした大会はアメリカの思惑どおりには行かなかった。それでも、参加国の野球ファンの大きな関心を集めたことで、初の試みとしては成功したといえるだろう。決勝戦の日本対キューバは日本が勝ち初代のチャンピオンに輝いた。現地、サンディエゴから今、私は日本に帰る空路にある。


試合開始前、両国選手入場


--- copyright 2001-2006 New Voice Shimamura Pro ---
info@shimamura.ne.jp