Column No.159 (2006/01/18デイリースポーツ掲載分)
◎ 真夏の豪州から

 今年も真夏のオーストラリアに来ている。全豪オープンテニスのマイクに向かって6年目になる。大会は今日で3日目になるが、連日の好天、強い日差しのもとでゲーム取材をしていて鼻の皮がむけてしまいヒリヒリする。まあ、それだけ気合を入れて取材をしているということなのです。というのは、今年はオーストラリアと日本の日豪友好基本条約締結30周年を記念して日豪交流年にあたります。両国の友好を深めようと、色々な事業が行われるが、WOWOWのテニス放送もその一つに選ばれ、私たちスタッフも張り切って放送に望んでいるというわけなのです。もっとも、皮肉なことに、サッカーのワールドカップでは、日本は初戦でオーストラリアと当ります。ラグビーの国と侮ってはいけないでしょう。
 華やかな女子テニスは大混戦、スターたちが勢ぞろいしました。誰が優勝するのか予測がつかないように、初日から大波乱、ビーナス・ウィリアムスが若手で初出場のブルガリアのピロンコワに大接戦の末、敗れ去った。かつては、ウイリアムス姉妹の圧倒的なパワーに蹴散らされていたのだが、今では恐れずに激しく打ち合う。もう、姉妹のパワーテニスになすすべも無く打ち負かされるということはないのです。妹のセレナも勝ったとはいえ、中国のリ・ナに大苦戦、テニスだけに打ち込まず女優やファッションなどをやっていると、あっという間に追いつかれてしまうのです。それほど、今のテニスは厳しく激しいトレーニングとフィットネスが不可欠なのでしょう。シャラポワも、もって他山の石とすべきでしょう。デメンティエワも敗れ、お尻を見せかけるゴロビンも初戦で姿を消しました。ウェアーで人目をひくより、本当の強さを目指して欲しいものです。
 日本の女子は6人も揃いましたが、初戦突破は浅越しのぶと中村藍子、藤原里華はあと一本が取れず逆転負けと大健闘を見せました。残念だったのは杉山愛。勝てるはずの格下相手にミスの連続の独り相撲、心のあり方を整理すべきでしょう。男子の世界NO1・フェデラーの話は示唆にとんでいます。「大本命を楽しんでいる。挑戦者より本命の方が私は好きだ。本命は他の選手が何をしているかを眺めることが出来る」、格下相手には、この心境で戦って行くということでしょう。世界一は常に格下を相手にしています。



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