Column No.154 (2005/11/30デイリースポーツ掲載分)
◎ TV中継に思う

 自家用飛行機で颯爽と日本にやってきた16歳のミッシェル・ウイーは1打届かず、男子ツアーの予選通過を果たすことは出来なかった。大会スポンサーのカシオも中継したTBSもがっくりでギャラリーも含めて「悔しい」あと1打になってしまった。報道陣の数がウイー予選落ちから半減してしまったそうだから致し方ないだろう。
 個人的な意見を言わせて貰うと、私は男子ツアーでウイーが闘うことにあまり興味を感じていない。確かにウイーは美しく、若く、スタイル抜群、飛ばす魅力もある女子ゴルフ界の逸材だが、女子ゴルフを盛り上げる方法としては邪道のような気がしてならないのだ。かつて、バーブ・ザハリアスやソレンスタムが男子ツアーにチャレンジしてみたが、殿堂入りし、功なり名を上げてから、自分を試してみたに過ぎない。ウイーはアメリカツアーを含め男子の大会に今回が9回目になる。女性であるなら、女子のメジャーやツアーでガンガン勝って、それからでもいいはずだ。ゴルフは1日だけなら女子が勝つことは当然ありえる。飛ばすこともある。それほど男子の中でやりたいなら、まず男子のツアーテストから挑戦したらいいだろう。関係者がツアーを盛り上げたいなら、話題づくりはほどほどにしてもっと内容の濃い大会にして欲しいのだ。
 盛り上げ方でいえば、どのスポーツでも、特にプロスポーツはテレビ中継が不可欠である。テレビがつくかどうかに、そのプロスポーツの繁栄がかかっている。ただ、テレビ中継があればいいというものでもない。
 1週前のダンロップフェニックスはタイガーと横尾要のプレイオフで大いに盛り上がった。しかし、最後まで見ていた視聴者は憤りを抑えることが出来なかったはずだ。肝心のプレイオフにきて、それが生放送ではなく、録画中継だったことがバレテしまったのだ。確かにゴルフ中継は時間が読めないから製作者は苦労する。それにしても、4ホールのプレイオフの大熱戦を半分も見せず、決着のついたホールしか放送しないとはどうゆうことなんだ・・・。許せない。翌日の新聞によると、プレイオフ2回目と3回目は2人ともバーディだったそうだ。その好打はカットされていた。日本のスポーツ中継はいつまで視聴者を騙し続けるんだ。中継局は毎日放送、ネットはTBSが組んでいた。先週の男女ツアーも録画放送だった。時計を見ていると、最後の場面で追いつくのか逃げ切るのか、視聴者に分かってしまうのだ。今週は怒りのコメントで締めくくりたい。
「男をなめるな。視聴者をなめるな」と。



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