Column No.153 (2005/11/23デイリースポーツ掲載分)
◎ 最年少優勝森田あゆみ

2005USオープンテニスの解説を丸山淳一と行いました。

 世界でも日本でも十代の女子選手の活躍がクローズアップされている。ゴルフ、スケート、テニス、柔道。才能を生かすには小中学生の頃から本格的に競技に打ち込む環境に飛び込むことから始まるのだ。つくづく年齢は関係ないことを実感させられる。
 先週の全日本テニスで15歳8ヶ月の森田あゆみプロがビッグタイトルを手にした。史上3番目の若さ、今年の春、高校進学と同時にプロ転向、通信教育を受けながら世界のジュニアツアーを転戦している。彼女の持ち味はどんな場面でも攻め貫く姿勢を貫くことだ。強いボールをビシビシ打つ。パワーテニス全盛時代、世界で対等に戦うにはこのやり方しかない。
 今大会、初戦から全てストレート勝ち、第9シードだった森田は準決勝で11歳年上、第2シードの久松志保を寄せ付けづ快勝、決勝では米村知子に第1セットを落とし、第2セットも3ゲームダウンからの逆転勝ちだった。劣勢でも攻撃の姿勢を崩さない自分のテニスに徹して逆転への道を切り開いていったのだ。
 森田を二人三脚で指導している丸山淳一コーチに聞くと「タイトルのプレッシャーを気持ちでコントロール出来るようになった」という。今年は世界4大タイトルの全豪、全仏、ウインブルドン、全米のジュニアに出場、経験を積み重ねた。丸山コーチが放送の解説者でもあったので、私は何度か彼女の練習を見学したり、食事をともにした。何しろ物怖じしない。しかし、会食の時に出すぎた態度をとることは一度もない。丸山コーチが会話やマナーに殊の外厳しいしつけをしているのだ。素顔は15歳の高校生、しかし、立場はプロなのだ。強くなっていくほど、大人の社会の立ち居振る舞いの場面に遭遇する。若い選手への指導は、競技の技術以上にここが大切なのだろう。丸山コーチはこう締めくくってくれた。「大舞台で自分を見失うことがなかったのが成長の証でしょう。あゆみの本当の勝負は世界です」
 ところで、丸山さんは現役時代も日本のトップで活躍したのだが、身体の鍛え方は今でも半端ではない。何しろ、コーチはヒッティングパートナーも務めるからだ。
 趣味のゴルフはプロ並み、11月の始めに私の主催するゴルフコンペではなんと70で回り、優勝、べスグロ、ドラコン、ニアピンと総どり、「次は森田あゆみを応援して下さい」とスピーチしていたが、その通りになった。この師弟コンビ、来週からはアメリカのジュニアの大会に向かう。サラソタとマイアミの大会だが、マイアミの大会はオレンジボウルというビッグトーナメント、朗報を期待したい。



羽ばたく会(主催しているゴルフコンペ)で優勝の丸山氏


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