Column No.147 (2005/10/12デイリースポーツ掲載分)
◎ ロッテ、我が命

 今日からパリーグのプレイオフ第2ステージが始まる。ペナントレース1位のソフトバンクと2位のロッテの対戦だから文句の付けようがない。両ティームの対戦は今季10勝10敗だから互角、しかも第2ステージの興味は、ロッテが第1ステージを戦ってきたので、渡辺、小林の両エースを3戦目以降しか使えない。日本シリーズのようなエース同士のがちんこでスタートしないところがなんとも面白いのだ。
 それにしても、今年もパ・リーグはプレイオフ制度のお陰で最後まで盛り上がった。改善すべき点はあるにせよ、消化試合がほとんどないのはアメリカ大リーグと同じだ。それに引き換え、セ・リーグは個人記録や引退試合の話題だけ、阪神の優勝で盛り上がっておきながら、やれ教育リーグで調整とかシリーズ用の合宿などと暇なこと、この上もない。こんな暢気な日程を組んでいるのでは、とてもファンを大切にするプロ産業には程遠いといえるだろう。
 ロッテ対西武のプレイオフ第1ステージは素晴らしかった。2日間とも超満員、試合内容も質の高い投手戦、殊にロッテの全員野球、繋ぐ打線と堅い守り、走塁の意欲とシーズン中と同じひたむきな闘う姿勢に好感がもてた。ファンとの一体感がなんとも言えずにいい。試合開始直前のライトスタンドには26の数字と「ロッテ、イズ マイ ライフ」と染め抜かれた巨大な横断幕をファンが広げる。球場全体にも白い紙が配られ、ファンが両手で頭上に掲げる。西武ファンの陣取るレフトスタンドの一角を除いて、球場全体が白一色になる。26という数字は、ベンチ入りの選手25人の次にファンは26人目で闘っているという証の数である。ベンチの中にも指揮をとるバレンタイン監督の後ろの壁に26番の背番号を付けたユニフォームがかけられている。選手と一緒にファンも相手ティームと闘っているのだ。これはシーズン中もずっと見られる光景である。バレンタイン監督のファンサービスは徹底しているが、こんな演出をしてくれるから、ファンは「ロッテ、我が命」になるのだろう。西武を連破して第2ステージの進出が決まると、バレンタイン監督はハンガーにかけた26番のユニフォームを掲げ、場内を半周、熱狂的なファンの声援に応えた。日本の野球の歴史でこんな演出をした監督、ティーム、ファンはなかったはずだ。
 今日から博多は盛り上がる。こちら、福岡ヤフードームは豪華にイベント化した演出が得意だ。



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