Column No.128 (2005/06/01デイリースポーツ掲載分)
◎ マイクのお相手

 ローランギャロスの全仏オープンはいよいよ後半、どんな大会でも一番面白いベスト8の激突に入っている。WOWOWでは全豪、全仏、全米とグランドスラムのうちの三つを放送しているのだが、放送席のパートナー達を紹介しよう。
 大ベテランの『柳恵誌郎』さんはかつての日本を代表する選手、デビスカップの監督やプロテニス協会の会長を務めた方である。自分の見方、視点に拘って解説を進める。勝負そのものをじっくり語っていかれるので話題やインタビュー記事などは「あればいい」という感じで私はお相手していて話に引き込まれる。ユーモアーも巧みだ。「若いころ、外国で試合をしていて、審判のコールの発音はやなぎではなく、やなじーでしたよ」「へぇ、嫌な爺やですかぁ」「そおなんですよ」「はっはっは」
 『遠藤愛』さんはグランドスラムでも活躍、ツアー時代の仲間もまだプレーしている。大学の先生だが、「らしくない」というより、いまの学生の気質を掴んだ新しい感覚の持ち主である。きっと楽しく面白い授業だろう。選手の心理分析や考え方の解説に冴えがある。
 『丸山薫』さんはハンサムでかっこいい。若くして現役を退きコーチになったので、コーチの立場で世界の選手を精力的に見る取材に徹している。話を聞く取材より見る取材を大切にしたいと私も思っている。明るくのめり込む時の解説は盛り上がる。
 『丸山淳一』さんは、今一番注目されているコーチだ。かつては杉山愛のコーチやパートナーを務め、今話題の森田あゆみ選手のコーチである。短い髪(そうなってしまったのか)、真っ黒に日焼け、よく食べ、よく走り、ゴルフもシングルクラス、「男・淳一」といった匂いプンプン。解説はいい声で理論的、現役のコーチなので選手情報も豊富だ。
 放送席は解説とアナウンサーのコンビネーションにかかっている。日本一のテニスアナ・『岩佐徹』さんは知識もネタも豊富、各局のアナも参考にして欲しい自然体派だ。『田中大士』アナは勉強家、話題や情報は絶対のがさない。『鍋島昭茂』アナはテニスに人生を賭けるテニス大好き人間、国内では大会やイベントの司会もやっているので日本人選手はみなお友達。今回から加わった『久保田光彦』アナはテレビ東京のトップだった。私も五輪で一緒になり「NHKに欲しいアナだなあ」と思ったほどの実力者だ。私は?・・・そう、先週、風邪声で失礼しました。番組の司会は雑誌で言えば「表紙」といえようか。スポーツ大好きのフランス人『フローラン・ダバディ』さんと女子アナではない美女『進藤晶子』さん、WOWOWの決勝への盛り上がり、ご期待ください。



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