Column No.120 (2005/04/06デイリースポーツ掲載分)
◎ セリーグ開幕

 セ・リーグが開幕した夜、ゴルフのマスターズ中継に出発する星野仙一SDに久しぶりに電話を入れた。「いよいよ開幕ですねぇ。どうですか阪神は?」
 「うぅん。まあまあやねぇ」となんだか歯切れが悪い。「優勝争いにカムとは思うがね」「筆頭は中日ですかぁ」「そう、中日だな」
 優勝を占うポイントは私流だと、1に投手力、2に監督の組織運営と勝負を見る目、3に投打のバランスである。しかも、贔屓目に見てはいけない。今年のセ・リーグで投手のいいのは、中日、広島、阪神だ。バランスのいいのは中日、阪神、監督の眼力は中日落合監督と私は見ている。
 開幕直前の落合監督の記者会見の談話は興味深い。
 「6月過ぎまではだんご状態が続くと思う。普通にやればうちが勝つ」他球団やファンがむかつくような答えをさらっといってのける。でも、よく読んで、よく見ている。6月中旬までの交流戦は予測がつかないから五分五分と読み、キャンプでの最も長いトレーニングからの自信、投打のバランス、分厚い投手力を確認しているのだろう。
 対抗は阪神だ。投打のバランス、内野の層の厚さ、リーダー金本の存在、投手力もそろっている。優勝へのカギは開幕戦で負けた井川の1年間のピッチングにかかっている。一昨年、優勝した時のような成績を残せるかどうか、あの時のようなひたむきな投球ができるかどうか、阪神優勝の大きなポイントは井川だろう。
 私の買いは広島カープだ。何も開幕で巨人に3連勝したから言うのではない。今年は投手力が安定しているのだ。先発、中継ぎ、押さえの配置がえ、何よりも、安仁屋ピッチングコーチの就任が大きい。この人はカープを愛し続けている。妙な私信がない。必ず、いいピッチングスッフを造ると私は信じていた。今年は上位争いをする可能性があると見ているのだが、これは贔屓目だろうか。評論家諸氏はカープ最下位と予測する方が多いようだが。
 巨人はまた開幕3連敗のスタートとなった。兆しはオープン戦の終盤にあったのだ。ベテラン投手陣をあてにしたことがそもそもの見込み違い、終盤に2件のトレードを行った。西武からの後藤と河原のトレード、日本ハムからの伊達の金銭トレードだ。明らかに、バタバタしてしまった。投手陣に不安があることを暴露して開幕を迎えていいはずがない。やるなら、別の時期があったはずだ。
 キャンプでは優勝候補に挙げていたのだが、この段階で私はクェッションをつけた。何も開幕3連敗の結果を見てからいのではない。
 オレ流落合談話に各球団は反発してペナントレースを盛り上げて欲しい。



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