Column No.119 (2005/03/30デイリースポーツ掲載分)
◎ パリーグ開幕

 プロ野球新時代はパ・リーグからスタートした。
 今年のパ・リーグはセ・リーグ以上に話題豊富であり興味深い。新球団楽天の参入、合併球団オリックスは仰木マジシャンの指揮、経営が変わり新しい球団名でスタートしたソフトバンク、連続日本一を狙う西武、そして、パ・リーグが望んでいた交流試合の実施など新鮮な話題に溢れている。パ・リーグ贔屓の私はワクワクして開幕を迎えたのだ。
 開幕戦は各地とも、1年を戦い抜くベストメンバーで臨んでいるだけあって緊迫した試合ばかりで見ごたえがあった。50年ぶりの新球団楽天の初勝利のスタート、すったもんだしたが、岩隈の好投はプロ野球ファンの誰もが拍手を送ったことだろう。日本一の西武は松坂の力投と劇的なサヨナラ勝ち、惜敗のオリックスも希望の持てる開幕戦だった。「何が何でも日本一」を合言葉に王監督が決意も新たに11年目の指揮で臨んだソフトバンクは初の開幕投手和田のクレバーな投球と柴原の逆転ホームランでいいスタートが切れた。日曜日のロッテの26得点には、半ばあきれる程驚いたし、ソフトバンクの連勝は5時間を越す延長戦でドームは大いに盛り上がった。改革元年に相応しい盛りだくさんの内容あるスタートといっていいだろう。
 ところで、開幕の本拠地は今年もいろいろと趣向を凝らして開会式のセレモニーを行った。ソフトバンクは芸能風に可愛らしい人気タレントを集め華やかさで盛り上げた。
 菊川怜、米倉涼子、上戸彩らが選手とファンに応援のメッセージを伝え、監督に花束を贈った。始球式は上戸彩、打席に新庄が立つと、新庄はオロナミンの小さな瓶をもち、上戸彩の始球式の山なりのボールを空振りし、場内の大爆笑をさそった。藤井ふみやの歌ったソフトバンクの公式セレモニーソング「勝利の空」はスローバラードで戦いを演出するには効果満点の曲だった。いずれにしても、イベント的な芸能色で開会式を盛り上げていた。同じ頃、千葉・幕張のロッテの開会式には、400勝投手の金田正一さんがマウンドに上がり、懐かしい大きなフォームでカーブを投げ込んだ。バレンタイン、田尾両監督がマイクをもって選手紹介をおこなった。翌日はロッテの74年の優勝メンバーが集まり思い出のポジションに散り、ボールまわしをして、最後に「マサカリ」村田兆治がいまだこだわり続ける速球の始球式を投げこんだのだ。スポーツファンの皆さんはどちらの開会式を喜ぶのだろうか。
 開幕にはいろいろな楽しみ方があるようだ。



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