Column No.112 (2005/02/09デイリースポーツ掲載分)
◎ 沖縄キャンプから

球場横に並ぶ全選手の旗・旗・旗・・・・・・


 いつもは中旬ごろからスタートするプロ野球キャンプめぐりを、今年はキャンプインとともに始めた。50年ぶりの新球団誕生にわく沖縄・久米島の楽天からスタート、なんだか心躍る旅立ちとった。
 久米島空港につきレンタカーに乗り換えてサトウキビ畑を進む。いけどもいけども、道路の両側はエンジ色した「楽天ゴールデンイーグルス」の旗が春風に吹かれて揺れる。町に人通りがないのに旗の列だけは球場まで続いた。球場横の道路には監督、コーチ、全選手の背番号と名前入りの旗も並んでいる。40年近くキャンプ取材をしているが、こんな歓迎は、恐らく初めてではないだろうか。地元の喜びと興奮が伝わってくる。稲嶺沖縄県知事も離島久米島まで激励にくる歓迎ぶりだ。山下大輔コーチが「めんそーれ、遠いところから始めたんですね」メンバー表を見ながら名前と顔と背番号を懸命に探していると、駒田コーチが「僕らもまだ顔と名前が一致しなくて、メンバー表が欲しいぐらいですよ」
 一・二軍合同の大所帯、しかもコーチが極端に少ないときているから、コーチ陣は大忙し、一軍の投手コーチが小野和義さん一人で大丈夫なのかとちょつと心配だ。まだ戦力をあれこれ批評する段階ではなさそうで、これからティームの骨格をどうするのか、まずは土台づくりから始めたところなのだ。今は新球団ということで話題が先行している。それでいいのだろう。ティームのカラーが見えてくるまでには、まだ、まだ時間がかかりそうだ。
 阪神キャンプは相変わらずの賑わいだ。ここは何故か他のキャンプ地とは雰囲気が違う。若い女性と子供づれの家族ファン、関西から大挙して応援団がやってくる。縦じまと黄色のユニフォーム姿のファンも他に比べて圧倒的に多い。メイングランドと投球練習場を往復して感じることは、投打のバランスがいいということだ。守りのコンバートで一人が二つのポジションを守れる。中日や巨人より明らかに控えの層が厚いのだ。あえていうなら、投手の先発の4人目以降ということだろうが、杉山を始め若手の伸びが大いに楽しみである。新任の久保ピッチングの腕のみせどころ、バランス感覚のいいコーチだから、きっと期待に応えてくれるはずだ。それにしても、北谷の中日の投手陣は素晴らしいし、早すぎるほど順調だった。今年は一・二軍を振り分けた落合監督だが、新人はほとんど一軍に入れている。「自分の目で確かめる」という「俺流」がここにも存在した。最後は監督の「野球哲学」がものをいうのだろう。
 来週は宮崎のキャンプ地に向かう。



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