Column No.108 (2005/01/12デイリースポーツ掲載分)
◎NBAの国際化


 今シーズンもCS放送のJスポーツでは、毎週木曜と日曜にNBAを生中継で放送している。現地は夜なので、日本では午前中か昼過ぎになることが多いのだが、若者のNBAに対する関心の高さに驚かされる。放送ではNBAについての質問や意見をメールで募集しているのだが、平日の木曜でさえメールが多くて答え切れないことがよくある。しかも、解説者顔負けの「おたくぶり」の意見を聞いていると、インターネットの普及で現地からの情報をいち早く、多角的に得ていることが伺える。NBAのスピーディなプレーの連続が、今の若者の感覚にピッタリするのだろう。
 今シーズンのNBAは戦国時代の様相だ。どこがNBAチャンピオンになるのか、専門家でも予想が出来ないほど面白い。
 例えば、田伏が4試合だけ出場したサンズは、間もなく前半の折り返しのオールスターを迎えようとしているのに、まだ4敗しかしていない。誰も予測しなかったことだ。
 現在のNBAの流れの中で見落とせないのは、従来の大卒者卒がほとんどだったスター達の中に高校卒の選手がティームのリーダーやスターになっていることだ。ブライアント、ガーネット、ジェームス、スタウダマイヤなど20代の前半から大スターの道を歩んでいる。
 もう一つは外国人の活躍である。すでに数年前から欧州、アフリカ勢が注目されていたが、最近は南米、さらにアジアにまで広がってきた。中国のヤオ・ミンはオールスターの中間発表では中国のファンの熱烈な後押しもあり、トップを走っている。最近、ブレイザーズから韓国で初めてのNBA選手がデビューした。
2m23のセンター、ハ・スンジンだ。19歳の若さ、姉は日本のシャンソンでプレーするお馴染みの選手である。「ヤオ対ハ」中国対韓国のマッチアップがNBAの舞台で実現するかもしれない。そうなると、サンズを解雇され、今独立リーグでプレーしながら、十日間契約を待っている田伏勇太にもチャンスが欲しい。実力がなくてサンズを追われたのではないだけに、もう一度チャンスを与えてほしいのだ。アジアの三つの国から揃ってNBAの舞台でプレーできるなら、NBAへの関心も益々国際的になるといえるのだから。



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