パ・リーグの最後の盛り上がりは見事だった。日本ハムとロッテの3位争い、プレイオフ第1ステージの日本ハムの健闘、そして福岡でのリーグ優勝をかけたダイエー対西武戦までもつれ込む理想的な展開となってファンの期待に応えてくれた。内容も充実して野球の醍醐味が散りばめられていた。プレイオフ制は二重丸といえるだろう。
今回の球界再編成の大混乱の中でパ・リーグの収益が問題となり表面化したが、どうやらこれからは巨人に「おんぶに抱っこ」のセ・リーグが真剣にペナントレースのあり方を考えなければならないだろう。
昨年のこの時期、このコラムで「プロ野球の消化試合は問題だ」と書いた。同じことをまた言わなければならない。今年は「セ・リーグの消化試合を何とかしろ」だ。去年、阪神のぶっちぎり優勝は9月15日だったので、消化試合は85試合もあった。今年、中日の優勝は10月1日、消化試合は半減したとはいえ41試合もある。こんなのんびりしたプロスポーツがどこにある。
大リーグはペナントレース終了と同時に一挙に地区優勝、リーグ優勝のプレイオフ、そしてワールドシリーズと息つく間のない盛り上げ方だ。この2年間はワイルドカードからのチャンピオンという劇的な結果が続いている。プロスポーツならこうありたいものだ。
今年のパ・リーグは消化試合がなかった。プレイオフ制のお陰ともいえるだろう。もともと、パ・リーグは人気を獲得するためにいろいろな試みをやってきた。DH制、前後期のプレイオフ、先発予告登板、リリーフ投手のホールド記録などだ。それでも赤字体質を克服できなかった。これからは変わってほしい。少なくとも、消化試合を見せ続けるセリーグを、ファンはもっと声をあげて批判すべきだろう。
セ・リーグもプレイオフを来年から考えてみてはどうだろう。もし、今年やっていればヤクルト、巨人、阪神の2位〜4位争いは熾烈になったはずだ。パ・リーグのまねをするのがどうしても嫌というなら、消化試合のないスケジュールにすることだ。これはやる気になれば出来るはずだ。 |