Column No.87 (2004/07/14デイリースポーツ掲載分)
◎どっちが無礼だ!

 誰もが「今年のオールスターはよかったという。殊にパリーグの選手たちの心意気が感じられた。華やかなホームランあり、松坂を始めとするそれぞれの持ち味を生かしたピッチングあり、締めくくりは新庄のホームスチールとパフォーマンスあり、まさに夢を売るオールスターだった。
 このオールスターを今年から止めてしまおうというのだから、なにおかいわんやである。オールスターの数々の名勝負は今もって語り継がれているのだ。日本シリーズはなおさらである。思い出の試合といえば、必ず日本シリーズの試合になる。1リーグ制は戦前に行われていた方式だ。それを逆もどりするということは発展どころか間違いなく退歩、衰退と言わざるをえない。
 何よりも許せないのは「無礼なことをいうな。たかが選手が・・・」と、つい本音を言ってしまった「ナベツネ」の発言だ。もう本名の渡辺恒雄さんなどという気にはサラサラなれない。無礼なのはいったいどっちなんだ。選手あっての野球でしょう。
 「たかがといっても立派な選手もいるけどね」と、言い訳がましく弁解したが、もうあとの祭りだ。だいたい報道のトップにありながら、軽々しく口をすべらすなんて情けない。もう一度、記者の新人研修を受けてこい、といいたい。本当はこれは無礼な発言なのだ。わかっていてあえてお返しをしたい。たかがスポーツアナだが、心の錦はもっているつもりだ。私の知人、友人にも巨人ファンは多い。世の中に知られた人や知識人、良識ある大人が、こと巨人となると、からっきし批判精神がなくなる。それがファンというものだろう。ただ、今度ばかりは批判してほしい。声を挙げてほしい。
 労組プロ野球選手会が立ち上がった。選手が意見をいうのは勇気のいることだろう。しかし、ここは自分自身のことではなくプロ野球の歴史と将来をふまえ、よく考え、それぞれが意見を持って、行動してほしい。ストライキという最後の切り札は使わずに済ませることが望ましい。しかし、戦うのなら自分たちの血を流す覚悟が必要だ。戦いはどちらも打撃を受ける。まずは話し合いの場をつくることから始めよう。「立派な」選手たちが願っているのだから・・・・・



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