Column No.83 (2004/06/16デイリースポーツ掲載分)
◎大改革に向かうのか!

 12日・13日は秋田の小町スタジアムからヤクルト−中日戦の中継をしていた。野球好きの秋田県民が待っていたプロ野球、まして土曜日はナイターだったので大曲名物の花火を打ち上げ、2万5千の満員放送席には大入り袋が届けられた。秋田は66人ものプロ野球選手を送り出したところで、この日は秋田商業出身の石川投手の登板、秋田工業出身の中日落合監督も花束をもらって、例のテレ臭そうな笑顔を見せながらも満更ではなさそうだった。
 初めて落合監督のお父さんのインタビューを聞いたのだが、息子を気づかっての話しぶりに「落合監督も人の子だなぁ」と、ほほえましく思えたものだった。
 地方ゲームは野球を待ち望んでいたファンの想いが画面を通しても感じられるので心暖まるのだ。
 その夜、球界に激震が走った。日曜の試合前、報道陣の取材は近鉄のオリックスへの吸収合併の感想を求めるものばかりだった。この話は突然にふって湧いたわけではないようだ。すでに数年前から「球界は1リーグに向かって動いているようだ」と、私に呟いたある著名人がいる。名前は明かさないが、この人の情報源と球界での存在感から見れば、この予測は確率が高いと私は見ていた。今のプロ野球はあまりにもイビツな発展の仕方と言わざるを得ないだろう。セ・パの人気の格差、同じセでも5万人入る巨人、阪神、1万5千も入らない広島、全国中継の地上波はいつまでたっても巨人だけ、阪神といえども巨人戦以外は関西地区のローカル放送である。球界の発展とファンがより楽しめる形なら1リーグ制をやってみるのもいいだろう。ただ、いつまでたっても巨人中心の球界編成と放送が続く限り、1リーグにしようと、どうしようと根本的な改革にはならないのだ。
 米大リーグは常の危機感をもって産業としての発展に創意工夫をこらしている。今定着した人気の東西中三地区制のプレイオフも球界の大改革によって生まれたものである。五輪、五輪とプロの全日本にばかり目を向けるより、もっと足元を固めることだろう。米は五輪よりペナントレースを重視しているのだ。一リーグ性結構!。ただし、巨人におんぶに抱っこをまず改革せよ!



--- copyright 2001-2003 New Voice Shimamura Pro ---
info@shimamura.ne.jp