Column No.73 (2004/04/07デイリースポーツ掲載分)
◎セ・リーグ開幕、本命は阪神


 開幕したセ・リーグで三連勝は阪神と中日だった。プロ野球出身者の評論家の順位予想を見ていると、関西系は阪神、関東系は巨人優勝という傾向が強いようだ。評論家になってからも、出身母体に気を遣ったり単なる応援団になってしまう人が多いようで、私は毎年、がっかりしているのだ。評論家なのだから、スポーツジャーナリストとしての見識のかけら位は持って欲しいのだ。
 私の予想の基準は・打守のバランス・安定した投手力・監督の見識と力量で考える。すると、どうしても巨人をトップには挙げられないのだ。何も開幕3連戦を見てから言っているのではない。いったい誰が「史上最強打線」などと命名したのだ。巨人に集まった四番打者達はすでに最盛期は過ぎている。一番善いときを思っていてはもう遅いのではなかろうか。成長の可能性があるのは小久保だけだろう。あの投手力でいいのだろうか。まして、ストッパーにシコースキーなどとは、如何に去年までのパ・リーグに無関心だったかが伺える。この一点だけでも答えは明快だ。「巨人の可能性は少ない」と言わざるを得ない。
 最右翼は阪神だろう。打守のバランスのよさと特徴ある打線、投手陣に若干の不安はあるものの、中日とは互角だろう。そして、何よりも岡田新監督の自然体がいい。2軍監督、1軍コーチを経験してきただけに選手の力量、個性をしっかりつかんでいる。賢い人だと思う。去年、星野さんが辞めたときに聞いたことを思い出した。「岡田監督でどうですか?」「あぁ、あれは大丈夫。間違いないよ」と、星野さんはあっさり答えたものだった。
 ライバルは中日だろう。落合流は楽しみだし、投手力は安定している。ヤクルトは、毎年怪我人が出るが、Aクラスにいるという安定したティームだ。古田の頭脳がある限りあなどれない。
 ところで、巨人が素晴らしかったのは、開幕の始球式に川上哲治さんを送ったことだ。私の友人は「涙が止まらなかった。感激しました」と興奮気味にまくし立てたのだ。芸能人やタレントを登場させる球団が多い中、「さすが、巨人」と大きな拍手を贈りたい。甲子園の阪神の開幕戦は大丈夫でしょうなぁ〜。



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