Column No.58 (2003/12/10デイリースポーツ掲載分)
◎大忙し、仙ちゃん


 久しぶりに監督を辞めた「仙ちゃん」と2日間仕事と遊びでお付き合いをさせてもらった。忙しさは監督時代にも増しているようだが、顔つきが柔和になったし、体調も悪くないようだ。改めて、監督業の厳しさを仙ちゃんの表情から伺うことができた。
 仕事はJスポーツとぴあが共催する公開番組「どうなる日本プロ野球」という真面目に日本のプロ野球を憂い、吠えるトーク番組。青島健太さんと私で星野さんの本音を引き出すトークショーなのだが、「さすが当代一の語り手・星野仙一」。固い話も終始笑いにつつまれ、800人の聴衆を魅了させた。
 VTRの収録番組なので、中身はここで紹介することは避けるが、星野さんが強調した中で、「プロスポーツは女性と子供を大切にすべし」ということだ。番組の最後に、参加者の質問を受け付けたところ、少年野球のティームの六年生が「僕は身体が小さいんですが投手としてやっていけますか?」と聞いた。星野さんは親切丁寧に答えてくれたのだが、少年は緊張して身体をコチコチにして目を輝かせていた。
 後日談を紹介しよう。この少年、木村康介君は帰りのバスの中で、感動のあまりポロポロと涙を流し続けていたという。木村君はご両親の仕事の関係で今週、岡山に引越しをする。彼の涙は仲間と別れる寂しさと、星野さんに質問ができた喜びが入り混じったものだった。偶然にも岡山は星野さんの生まれ故郷だ。
 この話を星野さんに伝えると、「サインを贈ってあげてよ」と、いつも色紙に書く「夢」のサインが私の手元に届いたのだ。今週中には木村君の手元に届くはずだ。ひょっとすると、数年後に岡山から好投手が生まれるかも知れない。
 翌日、仙ちゃんを囲むゴルフコンペ。ブチやん(田淵幸一)とともに出場したが、親友対決は、なんと11打の差をつけられて仙ちゃんの完敗。
 田淵さんの挨拶が素晴らしかった。2年間、「仙ちゃん」と呼ぶのを封印していました。監督とコーチのけじめからです。今、昔のように「仙ちゃん」と呼べる仲に戻りました。
 今週から豪州V旅行で再三、グリーン対決をすることだろう。
 なお、星野仙一のトークショーは12月25日夜7時、Jスポーツ308(再放送あり)で放送します。



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