Column No.57 (2003/12/03デイリースポーツ掲載分)
◎ひたむきにゴルフを

 今年の女子プロゴルフツアーは話題豊富な1年間であった。不動裕理・4年連続賞金賞金女王、男女通じて初めての年間10勝、しかもストローク、パットなどの全9部門のトップとまさに名前のとおりの安定感、日本のソレンスタムである。
 宮里藍のアマチュアでの衝撃的な優勝とプロデビューも女子の人気に拍車をかけたといっていいだろう。
 不動、宮里に共通しているのは、指導者の教えを素直に受け止め、ゴルフの道に邁進していることだ。不動は10歳から指導を受けている清元登子師匠のもと、日々練習に明け暮れ、男子にもまさる猛練習を続けている。今年の「完全制覇」にも満足せず、リコー杯優勝のインタビューでも「まだまだ努力しなければ・・・・」というニュアンスだった。「尽きせぬ向上心」こそが成功のキーといえるのだ。
 高校生の宮里藍も父の教えの素晴らしさなのだろう。ゴルフのプレーだけではなく、一人の若者として立派な立居振る舞いである。マスコミが騒ぎすぎて勘違いさせる事のないよう、関係者の自戒を切に願いたいものだ。伸び伸びと節度あるプレーヤーとして世界に羽ばたいて欲しいのだ。
 苦言を一つ言わせてもらう。人気の東尾理子選手が階段で転倒して両足じん帯を損傷、松葉杖姿になってしまった。米シーズンの開幕には間に合うとのことだが、米ツアーへの参戦を考えれば、トレーニングの大事な時期だけに、不安一杯だ。
 それ以上に私が言いたいのは、「解説やリポーターをする時間があったら、他にすることをして欲しい」確かに理子(りこ)ちゃんはリコー杯のスポンサーのリコーの所属だから、大会を盛り上げるために解説を頼まれたのだろう。しかしだ、解説やリポーターをするということは、褒めたり、感心したりするだけではない。時には批判もしなければならないのだ。理子ちゃんはこれから日本のゴルフ界を背って立つ選手なのだ。解説をやるのはもっと先でいいのだ。大事に大きく育てたいのなら、今やることは別のことだ。一心にゴルフに立ち向かって欲しい。
 解説やれば勉強になるなんていうのはTV局の体のいい詭弁だ。大会を盛り上げることは大事だが、美しさ、可愛らしさで売っているとテニスのクルニコワになってしまう。タレントになりたいんだったら、話は別だが・・・・・。



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