先週はダイエーの試合を東北と千葉で3試合放送(6/17・18・22)、王監督と試合前に雑談をした中で、「監督とは?」という話になった。王さんの監督暦は長い。巨人で5年、ダイエーでは9年目だから、通算14年目になる。日本一もリーグ制覇も経験している。それなのに私のイメージはどうしても「世界の王」の「打者王」が強すぎて「監督」としての特徴が見えにくかった。
「阪神と日本シリーズになるといいですねぇ」と、星野監督が聞けば「島村さんまでその気になって見損なった」と、どやされそうな軽口をたたくと、王さん「うちは、まだまだだねぇ。それにしても星野監督はここまではよくやったねぇ。来年からが監督のあり方として、むしろ大変だろうねぇ」と、ずいぶん先の見通しで答えたのだった。
「名監督と言われるようになるとですか?」とツッ込むと、「名監督だって失敗する。ただの人になるとよくわかるんですよ」「監督はティームを支配しすぎるのではなく、選手に勝つ意欲を持たせ、仕向けていくことだと思うんですよ。やるのは選手、監督が主役になっても駄目、監督の采配で勝つ試合は数試合ですよ」
王さんの監督としての考えを、改めて知らされた。ゲージの後ろで打撃練習を見ながらの会話では、王さんはいつも投げたり打ったりの仕草をしながら話す。
盛岡のオリックス戦でその一端をかいま見た。5回に逆転され5点差をつけられると、王監督は全員を集め、ゲキを飛ばした。放送席にリポーターの報告が入る。「5点は取れる。絶対に打つんだ。打つという強い意思を見せよう」選手は王監督のゲキに応え、六回に6点、七回に10点を取り、21−11と大逆転した。5時間近い長い試合だった。
翌日の仙台、「島村さん、全部しゃべってたの?」「フラフラでしたよ!」「お互い年だけど、やり続けないと駄目だよ」「ええ、でも早い試合をお願いしますね」
この日、逆転サヨナラ負け、千葉は延長戦の勝ち、やっぱり「野球がすきなんだ」 |