Column No.11 (2003/01/10デイリースポーツ掲載分)
◎アマスポーツの花盛り

 「新春恒例の」というキャッチフレーズは冬の様々な競技に使われる。駅伝、ラグビー、サッカー、バスケットとTVの前や競技場で胸を熱くした方が多かったことだろう。そのほとんどがプロではなく高校、大学、社会人とアマチュアスポーツなのである。改めて日本は「アマチュア天国」だと感じるし、プロスポーツが育つ土壌はまだまだ限られているといわざるを得ない。
 40年近いNHKのアナウンサー時代、私は毎年のように新春を大阪・花園のラグビー場、ラジオ中継の箱根駅伝のコース、バスケットの全日本選手権の代々木第二体育館で過ごしてきた。若者の熱と純粋な意気を栄養にさせてもらってきたのだ。
 今年はバスケットの『ウインターカップ』(詳細はこちらを御参照ください)という高校選抜大会のマイクを初めてJSKYスポーツで握らせてもらった。一日二試合をしゃべるというハードスケジュールだったが、会場の盛り上がりと高校生の汗と涙に心地よい興奮を覚えた。プロ組織のない日本だが、NBAの影響は凄いということを改めて感じた。
 四回戦までは報道席がなかったので、一般席の隅で取材をしたが、周りの中学生の会話を聞いていると、NBA選手や用語が頻繁に飛び交っていた。準決勝からの代々木体育館は数百メートルに及ぶ長者の列,満員札止めで「1千人近くが入れない」というレポートさえあったほど。人気だけでなくプレーもレベルが高くなっている。
 男子の優勝校・京都の洛南には203センチと201センチの双子の竹内兄弟がゴール下で大活躍、決勝の北陸戦は二人で39のリバウンドを奪い優勝の大きな要因となった。3位の能代工業の北向の3Pシュートはセンターラインに近いといってもオーバーではない超ロングシュートを連発、これはNBA並みである。スピード豊かに走ったセンター高久の敗戦の涙も感動を呼んだ。スポーツはBS・CS放送の影響で世界が身近になったといえるだろう。「一心にボールを追う、走る」。スポーツの原点に心洗われる新春であった。



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