Column No.09 (2002/12/20デイリースポーツ掲載分)
◎米ツァー期待膨らむ

 メキシコで行われたW杯ゴルフで井沢利光・丸山茂樹コンビがミケルソン・トムスコンビの米を振り切って優勝した。
 普通のトーナメントとは違うティーム戦、コンビネーションが鍵となる試合に高校・大学の先輩後輩コンビは持ち味を見事に発揮した。表彰式での二人の仕草は特徴と人柄が滲み出ていて思わずTVの前で笑ってしまった。もらったカップをまるで一人で手にしたかのように、子供が大事なものをしっかり抱えるように丸山は満面の笑みではしゃぎ、喜びを表現した。隣で井沢は兄のように静かな笑顔で「マルちゃん」を見つめていた。
 今年不調だった井沢のショットが最後に戻り、丸山のパットが決まった。米ツアー2勝目を今期マークした丸山の持ち味はアプローチの巧みさ、パットの正確さ、安定したショット、そしてキャラクターとは違う堅実な思考にある。来年はいよいよメジャーが狙える位置に来た事を裏づけるW杯チャンピオンだ。
 ところで、来季の米ツアーは複数の日本人選手が参加する。丸山茂樹を筆頭に今期のツアーでシード権を取り西海岸に本拠を決めた田中秀道、予選会26位で出場権を得た久保谷健一。
 ツアー125位の出場権は逃したが、ダンロップでタイガー等の追い上げを交わし優勝した横尾要は下部組織のバイドットコムツアーと出場出来る試合のかけもちで再度チャレンジする。そして、日本で無名だったが中学時代に渡米、米で育ち、見事予選会5位で権利を得た貞方章夫(23)がデビューする。私もまだ彼のプレーを見たことがない。ただ言える事は、クオリファイ・スクールといわれる予選会の厳しさは生半可なものではない。
 全米の大学で活躍したトップクラス、今年出場権を失った有名選手も数多く参加して1年の生活権を賭けた戦いをするのだ。今まで日本は豪州・カナダ・南アのように数人で米ツアーに挑むことがなかった。来年は毎週どの大会にも日本人選手がラウンドしている。層の厚さがその国の力となる。



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