Column No.04 (2002/11/15デイリースポーツ掲載分)
◎継続とは・・・

 高校野球連盟の牧野直隆会長が勇退、牧村春夫さんが後任に内定した。
 今年の4月、私はある会で牧野さんに久しぶりにお会いした。NHK時代は高校野球の季節になると毎年甲子園でお目にかかっていたが、NHKを離れるとご無沙汰したままだった。お変わりないのとお元気なことに驚き、失礼を顧みずお年を伺うと「92歳です」。「本当ですか?」と思わずマジマジと観察してしまった。髪は黒いし、皺は少ない。お世辞ではなく20歳は若く見える。「健康を保つ秘訣は何ですか?」「真向法ですよ。やりますか?」「ええ、ぜひ教えてください」「ちょっと、取ってきましょう」と、スタスタとホテルのクロークに行き、真向法のパンフレットを持ってこられた。「かんたんな体操ですが、続けるのが、難しい。朝晩5分づつでいいんですが根気がありますかな?」
 牧野さんに初めてお目にかかったのは21年前の夏の甲子園、会長に就任された牧野さんのインタビューを開会式の放送でするため、打ち合わせに高校野球連盟に伺った時である。謹厳実直、曲がったことは嫌いだが、じっくり話を伺うと温かい人柄が感じられた。以来、毎年の春夏の甲子園ではお会いすれば声をかけて下さった。あの頃から姿はほとんど変わらない。
 その牧野さんが会長11期、21年で勇退するニュースを聞いた。そして、「継続する」ことの重要性を感じさせられた。牧野会長は「青少年の育成」という大きな幹を育てながら、金属バットの安全性、選抜の「21世紀枠」など数々の改革も行ってきた。新会長に内定した脇村春夫さんには継続とともに新しい時代の要請に、ぜひ対応してもらいたい。高い技術と見識を持ったプロの経験者をもっと活用して欲しいし、高校野球だけでなく幅広くスポーツを楽しむ心を育てて欲しいのだ。冬はバスケット、気分転換にゴルフはどうだろう。野球至上主義はもううんざりだ。 
 ところで、牧野会長に勧められた真向法、「継続することは、本当に難しい」と実感しています。



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